ロードバイクにおけるマスダンパーについて

 マスダンパーというものをご存知でしょうか。ある周波数で振動する対象物に、適切なバネと適切なオモリをつけると、そのオモリに対象の振動を流すことで、対象物の振動を完全に消失させることができます。難しい言い方をすれば、振動を抑えたい対象の振動数と一致する固有振動数を持つバネとオモリのセットを取り付ければ、対象は完全に振動しなくなります。

 F1マシンのルノーR25はフロントにマスダンパーを搭載し(その後レギュレーションで禁止されました)


台北101という摩天楼も風により建物が振動しないように最上部にマスダンパーを搭載しています。


 ところで、ロードレーサーのハンドルバーエンド部にゴムと金属の芯をセットにしたものを押し込むバズキルという商品がありました。これはもともとアーチェリーの制振用を自転車に持ち込んだもののようです。
 これをオカルト扱いしている人も多く見られますが、ゴムをバネ、芯をオモリとして考えれば特定の周波数に対しては間違いなく減衰効果が出ます。そんなオカルトありえません。極めて科学的な仕組みです。実際にアーチェリーではそこそこ使われていましたし。


 ところで、TIME社からAKTIVフォークという商品が出ていました。これは、フォークの中にオモリとバネを仕込んだもので、まさしくこのマスダンパーとしての効果を狙ったものです。つまりバズキルとAKTIVフォークは同じ理論で作られています。酷使すると中でバネが折れてマラカスになると言った話も聞きますが、これも間違いなく効果が出るでしょう。ところで、当時の資料を見るとオモシロイことがわかります。


なんとなくオモリとバネのセットはどの周波数を使ったのかな〜とかロードバイクとしての共振周波数はどのへんにあるのかな〜とか言ったものが見えてきませんか。実際にロードバイクに乗っているときに聞こえる音も確かにそのへんの周波数だな〜とか考えてしまいます。

 理論がわかれば実践です。


これはTIMEだし、マスダンパーだし、たぶんAKTIVフォークです。EDGEとか何年のフレームだよと言ってはいけません。このあとブレーキシューを組み付けて実装したのですが、このマスダンパーはオモリの取り付け位置をバネの長さの範囲でズラすことでバネレート・共振周波数を可変できます。セッティングを変更しながら走行を行うと、振動がキレイに消えていくスポットがたしかにあります。制振が強すぎて路面のフィードバックが通常のロードレーサーと大きく変化して戸惑いましたが、大変快適です。作ってくださったまくらんさんありがとうございました。ではまた。

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