誰もが先入観をある程度持って動いていますが、私は先入観が強いという悪癖があることも重々承知しております。一方で、実際に触れてみて先入観が大きく覆されるという場面ももちろんあります。
というわけで今回は日産GT-Rの2012年モデルの横に乗ってきました。水野和敏氏が担当していたイヤーモデルのGT-Rです。ほぼ純正状態ですが、ダンパーがチューニングされた仕様です。
R35といえば、私の先入観としてはトランスアクスルであること、ニュルブルクリンクを始め多くのサーキットで非常に良いラップタイムを出したこと、国産スーパースポーツの代表格であること……などでした。
確かにエンジンはべらぼうなパワーを出力しています。巨大なタイヤはグリップが高く、固められたサスペンションはスポーツカーであることを思い出させ、6速デュアルクラッチトランスミッションはMTより遥かに早い変速を可能にします。
実際に横に乗ってみると、チューンニングで多少緩めても固められた足回りは公道で接地感が少なく、モンスターエンジンはガサツに回り、デュアルクラッチトランスミッションはシフトショックが大きく、発進時には時々異音が出ます。常時どこかがガタピシゴリゴリバキバキ鳴っていて、友人の120馬力セルボのようです。高剛性を自称するボディは車重とパワーに対して意外と余裕がないように感じられます。確かに気が狂ったように速い車なのは確かなのですが。
想像よりも高級スポーツカーではなく、国産チューンドカーの延長線上です。2007年発表の車であるということを差し引いても、友人の997カレラ4S(チューンド)のほうが遥かに安心"感"があります、もちろん実際にリアがすっぽ抜けたときに誰でも立て直せるかどうかは別です。この車に関しては、メーカーが1000万という予算キャップで、チューンドカーを量産しましたという方が適切なような気がします。チューンドカーであれば異音が出るのは当然であるし、接地感がないほど固められた脚もそういうものです。最低グレード1000万円以内でこのスペックの車を量産していることは驚異的です。コストをすべてラップタイムの向上に注ぎ込んだ自動車だと感じました。おわり。
と思ったけど私の車と比較したらめちゃめちゃGTカーですわ。国産車としては超快適です。GT-RなんでGTカーじゃないと。国産スポーツって脚固めてなんぼみたいな文化ありますものね。
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