世の中にはこんなに上質なワゴンがあるんだ。
というわけで
まず特筆すべきはパワーユニットですね。なんといってもシーケンシャルツインチャージャーです。しかも、高速域でスーパーチャージャーのクラッチが切れて流路も別に切り替わり実質上のシングルターボとなるため、吸気抵抗もなく高効率で稼働します。スーパーチャージャーの良いレスポンスとターボチャージャーの効率・高回転域を高次元で両立する、ツインチャージャーシステムの到達点ではないでしょうか。
実際に乗ってみると、両者の切り替えのタイミングは分かりますが違和感は全くありません。低速から十分なブーストがかかり、最大で1.5barにもなります。一方で圧縮比は9.7というブースト圧からは考えられないハイコンプだそうです。意味がわかりません。低速からきれいに燃えて高速のシングルターボ領域までスムーズに行きます。燃費も、この機構・パワー感・楽しさからすると本当にこんなに走っちゃっていいの?というくらい良いです。綺麗にガソリンを燃やしているからでしょうか……私は内燃機関に関して詳しいわけではないのですが、そんなエンジンです。
乾式7速DSGに関しては、確かに繊細さは感じます(特に渋滞)。が、MTを普通に運転できて、機構のことを考えられる方が新車から乗るならそんなにトラブルは出ないのかな?という気もします。レスポンスも本当によく、めっちゃ車の運転が上手い小さなおじさんが中に入っててMTを操作してくれているかのような感じです。ただ、半クラに当たる操作をあまり長くやると小さなおじさんが疲れてしまいます。乾式DSGに乗るなら、小さなおじさんのことを思いやって敬意を払って運転しましょう。
パワステに関しては、絶品としか言いようがありません。ゴルフは5からすべて電動パワステになったと記憶していたのですが、本当に電動パワステ?という味です。掛け値なしに、路面が今どうなっているのか手で感じる事ができます。昔ながらの油圧パワステってこんな感じだったよねと思い出させてくれます。ゴルフは5~8までとりあえず乗ったことがあるのですが、間違いなく一番パワステが良いのは6だと断言できます。ステアリング中央付近の"ああ直進しているな"というフィーリング、微小に切り替えしたときの引っ掛かり感のなさ、切り込んでいったときの抵抗感の自然な増え方、本当に極上です。ぜひ機会があれば運転してみてください。(余談ですが、先代のポロは電動油圧パワステになっていて、こちらもかなりフィーリングが良いです。)
そしてボディ剛性も十分です。年式的にヤレは始まっているハズですが、良い意味で”本当にワゴンなの?”という剛性感です。サスペンション取付部もちゃんと設計されているのでしょう。サスペンションセッティングはフォルクスワーゲンに共通する動きで非常に安心感があります。基本に忠実で、ペースを上げていくにつれて漸進的にアンダーステアが強くなっていきます。ロールが深くなるとリアがトーインになり自然にヨーが収束します。FFで高速域でも安定して走れて、それでいて峠でも動かし方を理解していれば自在に操れます。
そして、ノーマルのゴルフが2名乗車前提だとすると、ゴルフヴァリアントは4名+そこそこの荷物が前提のサスペンションセッティングのような気がします。リアサスペンションが割とハードで、空荷で2人乗車だとGTIのように自在に振り回すことができ、リアの荷重が増えてくると高速を快適に移動するGTカーの動きになります。ダンパーは年式なりなのですが、多分素性のセッティングが良いので本当に元気よく気持ちよく快適に走ります。
正直言って、面倒を見てくれる店があるならば、不満点は無いと思います。乾式DSGの評判のために、リセールが悪いというところくらいでしょうか?

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