S660チューニング Part2 リア周りの空力改善

 S660に乗り始めて、どのように操作しても狙ったどおりのラインにノセられないという問題がありました。

私は電子制御が唐突に何度も介入しているせいだと思っていたのですが、友人を乗せると、「これはオーバーステアと電子制御での立て直しが連続して起こっている、それも速度を上げるにつれて激しくなる」とご指摘いただきました。

基本的に、クルマの空力セッティングは、フロント側のリフトをリア側のリフトよりも大きくし、速度を上げるにつれてアンダーステアになるようにセットするのが基本セオリーです。速度を落とすとヨーレートが出しやすくなるというのは操縦安定性的に正しい方向です。それに、996GT3のときにワルター・ロール先生がそう言っていたので間違いなくそうなんです。


(見ての通り、後ろにはでかいウィングがあるもののフロント側は大きな変更がされていないことがわかります)

で、もしリア側のリフトのほうが大きいと、速度を出すほどにリアがはらみやすく、向きを変えやすくなって、操縦安定性に問題が生じます。

余談ですが、実は、初代Audi TTの初期型は非常にリアリフトが大きく、大きな事故が複数起こったようです。



その結果、リコールになり、スポイラーが追加されています。



そもそも、初代Audi TTのリアリフトは何故大きかったのでしょうか。それはトランク部の形状に問題があったと考えています。Audi TTのリアトランクは丸く落ちています。そうすると、空気が層流となってその上を流れ、結果として翼断面形状に近似でき、揚力を発生させます。



ここで、この層流をぶった切る形+位置の板をつけることで、揚力の発生を抑えることができたのだと理解しています。



改めて、S660のリア形状を見てみると、エンジンフードが斜めに落ち、そこからほぼ垂直にリアが落とされています。結果、この部分が鈍角になっています。


S660の不安な挙動がリアのリフトから出ているとすれば、ここで空気が剥離せずに層流で流れているのではないか?と考え



ボルテックスジェネレーターを設置しました。文字通り、この後方に渦流を作る装置で、それによって層流(と揚力)を抑制できるのではないか?と考えて設置しました。



実際のところ効果は抜群でした。

次に、このボルテックスジェネレーターを外し、トランクリッドスポイラー的な製品をアマゾンで検索し、購入しました。3Mの結構良い両面テープが最初から貼ってありましたが、私の車はミッドシップの熱をもろに受ける位置に取り付けるので、耐熱性の高い自転車チューブラータイヤ用両面テープで固定しました。


もうめちゃめちゃ効きます。50km/hを超えれば助手席でも挙動が安定方向に変化したとはっきりわかるでしょう。


余談ですが、最近の車では最初からリアトランクをスポイラー形状に仕立てている車がいくつか見受けられます。立体形状なので写真だと難しいのですが、GR86なんかはかなりわかりやすくトランクリッドスポイラーになってます。

逆に、一般車で、トランクリッドスポイラー形状になっていないものに、アマゾンで1800円くらいの両面テープ式トランクリッドスポイラーを取り付けるとはっきりと変化があると思います。両面テープなので簡単にはがせて安心ですし、興味ある方はぜひ。

チューニング費用 3000円 (ボルテックスジェネレーター1200円 + トランクリッドスポイラー1800円)

ココまでのチューニング費用 合計6000円





P.S.

モデューロXの開発動画を見ていたら、はっきりと「ノーマルはリフト量が後ろ上がり」だとあります。



そもそもミッドシップ車という操縦安定性としてシビアなセッティングが求められるのにもかかわらず、普通のグレードではリアのリフトが大きいですというのは如何なものかと思います。それに、普通のグレードの電動スポイラーは20万円のオプションで、ウィングレスだと相当に危険な車だと思います。軽自動車の低いレベルでかかるリミッターならギリギリ電子制御で立て直せると言われればそうかもしれませんが、なにか電動スポイラーでないにしろ空力付加物が純正であったほうが良かったのではないでしょうか。その意味では、EV-STERの幼稚なスタイリングがこの車の欠点だという当初の感想とも整合的です。


おまけ:歴代audiTTの空力データ及びスポイラーの有り無しでの差に関してはこのブログに詳しくまとまっています。興味ある方はぜひ。





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